褐色のあなたに水色のキミ
ランチで来た、バレンシアオレンジで待ち合わせ。カウンター席で、山田さんが来るのを待つ。


こんなにドキドキするのは、何年ぶりやろうか?男性と2人っきりで食事するのも、久しぶりやし…。


「お待たせ、しおりちゃん」


その声に、ドキッ…と言うよりは、ビクッとする…。


「こんばんは…」


ちょっと怯えた視線を送ると、あのころと変わらない優しい視線を返してくれた。


「あー、腹減った。しおりちゃん、食べたい物、遠慮なく言うてや」


山田さんは、10年ぶりに会ったとは思えない態度で、私と接した。メニューを広げて、私に向けてくれるのも、あのころと変わらない。


私は、初デートの時のように、ガチガチに緊張していた。そんな私に、笑顔を向ける山田さん。


「変わってなくて、ホッとした」


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