褐色のあなたに水色のキミ
彼は、あのころと変わらなかった。お姫様だっこをして、私をベッドに運ぶと、眼鏡を外し、真剣な眼差しを向ける。


恥ずかしくなって思わず目をそらすと、優しい口づけをする。その唇で耳朶を愛撫し、甘い吐息をかける。そして、首筋から優しく撫でるように、丁寧に愛する…。


ため息に似た、声が漏れる。私の反応を確かめながら、ゆっくりと愛でてもらう。久しぶり、なのに、身体は彼を覚えていて、敏感に反応する。


火照る私の身体を強く抱きしめると、山田さんが耳元で囁いた。


「…いい?」


「…うん…」


山田さんが、私とひとつになる。イケナイことをしているのは、わかっている。でも、好きやねんもん…。


恋愛なんかめんどくさい。でも、相手が彼なら…山田さんとなら、愛しあいたい。


「ああ、しおりちゃん、好きや」


「私も…」


ベッドの上でギュッと手を繋ぎ、彼の愛を全身で受け止めた。何も考えられなくなって、ただ、彼の温もりと愛だけは感じとれた。


私は、山田さんと再会したその夜、結ばれた…。赤になることのない、糸で。



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