褐色のあなたに水色のキミ
私は、男運がないんやわ。初めての相手はナンパで知り合って、久しぶりに再会したら、今度は不倫の関係なんやから。


15時になり、ティーソーダを買いに1階へと向かう。2基あるエレベーターのうち、1基は、使用停止になっていた。なんでも3階に入っていた会社が、別の場所へと移転するのに、使用しているようだ。


1階では、おそらく3階から移転するであろう人たちが、荷物を運んだりして、ウロウロとしていた。


うちのオフィスビルは10階までしかなく、裏口は狭い。そこをウロウロしているんだから、なんだかごちゃごちゃとしていた。


私はそこをすり抜け、ティーソーダを買うと、エレベーターの前にやってきた。


「すみません。エレベーターを独占してしまって…」


3階の会社の社員らしい中年男性が、私に声をかけてきた。いいえ…と言って笑顔を返し、エレベーターのボタンを押した。


その時、カランカランと、瓶が当たるような音がして、私の隣に止まった。


チラリと見ると、抹茶色のポロシャツ。台車に飲料類を乗せた、春日園のイケメンの姿があった。

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