褐色のあなたに水色のキミ
「偶然、イケメンを見つけてん」


「ふーん。どこで?」


私は、大して興味もなく、適当に返事をした。


「ビルの裏口のほうに、春日園の自販機あるの、知ってる?」


『春日園』は、大手飲料メーカー。『お茶日和』と言う名の緑茶で有名だ。


「うん。私、よくティーソーダを買うから」


緑茶が有名だけれど、私は、好んでティーソーダを買っていた。スーパーにもコンビニにもない、自販機限定の、ティーソーダだ。


「あの自販機に飲料補充しに来る人が、イケメンやねん!」


「私、よく買うけど…おっちゃんにしか会わんで」


「それは、行くタイミングが悪いんやわ。ティータイムに行ったら、補充してはるわ」


「ふーん」


そんなこと言われても…そんなイケメンとロマンスを起こそうと思ったら、美鈴くらい美人やないと…。


「ハンバーグランチのお客様」


「はーい」


イケメンよりも、ハンバーグに目を輝かせるしおりでありました…。

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