褐色のあなたに水色のキミ
彼は狭い個室で、私をクルッと壁に向かせた。


「こんな体位は、初めてやんな?」


耳元で囁かれ、ゾクッとする…。否応なしに、彼が私を溶かしてゆく…。


「はうっ…」


激しくつかれ、思わず声を漏らした。


「気持ちいいのはわかるけど…声、出したらあかんよ…」


「はぁ………」


ため息のような、今にも消えそうな声を漏らした。立っているのが精一杯な状態で、彼の欲望の餌食になった。


「ああ、しおりちゃんが好きや…」


その時、思った。彼が好きなのは、私自身やなくて、女の身体やと…。

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