褐色のあなたに水色のキミ
「まいどありがとうございます」


ビクッとして振り返ると、春日園の彼が、台車に飲料類を乗せ、私に微笑みかけていた。


「あ…どうも…」


急に声をかけられ、すっかり動揺した私は、そのまま立ち去ろうとした。


「あ、ティーソーダ、忘れてます」


「あ、ああ…すみません」


彼からティーソーダを受け取った。なんだか恥ずかしくなり、顔が火照った。


「お好きなんですね?」


胸の鼓動が速度をあげる…。トイレでの行為を、見られたのだと思った。


「ティーソーダ!よく買ってますよね」


「あ、ああ…ティーソーダ!好きです」


「ありがとうございます」


彼の真っ直ぐな視線に、いろんな意味でドキドキした。

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