褐色のあなたに水色のキミ
「ふぅー」


カツ丼大盛って、めっちゃお腹にくるなぁ…。これをペロリと平らげる男性ってどんな人やろう?一誠さんは、どちらかといえば少食やからな…。


「どう?気が紛れた?」


「うん…苦しい…うっぷ…」


「しーちゃん」


改めて名前を呼ばれると、なんだか照れくさくなる。美鈴に視線を送ったまま、お茶をすすった。なぜか、ニヤリと笑っている。


「見ちゃった…」


えっ…………。一誠さんとの、逢瀬を⁉︎さっきなんとか平らげたカツ丼が、リバースしそうになった。


しばらく、無言が続いた。見ちゃった…と言うことは、声、なんかも聞かれてたりして…⁉︎


いやぁぁぁぁ…!頭がクラクラ、視線は宙を舞い、ヘンな汗がダラリ…。


「教えてよ?どうやって落としたん?」


「えっ…と…」


< 54 / 84 >

この作品をシェア

pagetop