褐色のあなたに水色のキミ
金曜日の夜、一誠さんに『会えない』とメールをした。私から断るのは、はじめてだった。
『20時に福岡で予約をいれました。少しお待たせするかもしれませんが』
雑居ビル5階。駅の近くにある、福岡さんが予約を入れてくれた居酒屋に向かった。ずっとこの近辺で働いているのに、こんなオシャレな店があることを、知らなかった。
「いらっしゃいませ!」
「あの…20時に予約を入れている…福岡ですが…」
「はい!2名様ですね?どうぞ」
案内されたのは、2名用のカウンター席。外の景色を眺めながら食事ができるようになっていた。
どうしよう…。帰りたくなってきた…。きっと、一誠さんとの逢瀬を、見られたんやわ…。あのタイミングであの場所におったら、気がつくわ…。
腕時計に視線を落とし、ソワソワとしていた。時計の針が2を指したら…帰ろう。福岡さんに会うのが、怖い…。
「ごめんなさい!お待たせして…」
時計の針が2を示す、少し前。福岡さんが息を乱して現れた。
『20時に福岡で予約をいれました。少しお待たせするかもしれませんが』
雑居ビル5階。駅の近くにある、福岡さんが予約を入れてくれた居酒屋に向かった。ずっとこの近辺で働いているのに、こんなオシャレな店があることを、知らなかった。
「いらっしゃいませ!」
「あの…20時に予約を入れている…福岡ですが…」
「はい!2名様ですね?どうぞ」
案内されたのは、2名用のカウンター席。外の景色を眺めながら食事ができるようになっていた。
どうしよう…。帰りたくなってきた…。きっと、一誠さんとの逢瀬を、見られたんやわ…。あのタイミングであの場所におったら、気がつくわ…。
腕時計に視線を落とし、ソワソワとしていた。時計の針が2を指したら…帰ろう。福岡さんに会うのが、怖い…。
「ごめんなさい!お待たせして…」
時計の針が2を示す、少し前。福岡さんが息を乱して現れた。