褐色のあなたに水色のキミ

高卒なら28歳、短大卒なら30歳、大学卒なら32歳…。福岡さんの頭の中で、私の年齢が計算されているに違いない。


32歳と思われてたら、いややな…。


「あの…私…福岡さんより5歳も年上で…」


恥ずかしながら、自分で自分の歳をバラした。きっとおばちゃんやと思われたに違いない…。


「童顔やから、気付かんかった！ほな、福岡さん…やなんて、呼ばんでもいいやん？」


話が、思わぬ方向へ流れた。


「でも…なんて呼べば…」


「名前で呼んでよ？しおりちゃん…って呼ぶから…な？」


そう言った福岡さんの頬が、赤らんでいるように見えた。


長身で、そこそこのイケメンやのに…意外にも恋愛は苦手なのかな？私なんかを名前で呼ぶだけで、顔を赤らめるやなんて…。


「わかった…誠人くん…」


そう言う私も、年下の男の子の名前を呼ぶだけで、顔を赤らめるやなんて…。三十路にもなって…。