褐色のあなたに水色のキミ
一周15分の間で、何かロマンスが生まれることもなく、終わった…。相手が一誠さんなら、キスは当たり前、なんならそれ以上も…。


誠人くんは、キスどころか指一本触れずに、次に出かける約束を交わすだけで終わった。ほんの少しだけ、期待したんやけど…な。


「ちょっと、お茶でもしようか?」


2人っきりの緊張から解放されて、カフェではリラックスして話せた。休みは週2回。毎月変わるらしく、今月は、水曜日と土曜日…なんだとか。


「しおりちゃんは、土日休み?」


「うん」


「ほな、今月は…あと3回、一緒に出かけられる…ね?」


頬を赤らめながら、誠人くんが真っ直ぐに私をみつめて、言った。次は私も目をそらさないで「うん」と返事をした。


「良かった」


一誠さんとはタイプの違う人やけど…一緒にいると居心地が良い。もし、誠人くんが…私を好きやと言ってくれたら…。


一誠さんとの不毛な関係を終わらせることができるかもしれない。




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