褐色のあなたに水色のキミ
金曜日の夜
金曜日の夜、私は、残業をせずに真っ直ぐに家へと帰った。シティサイクルに乗ると、スーパーに向かい、晩ご飯のおかずの買い物をした。


今夜は、肉じゃががメイン。味噌汁にきんぴらごぼう、なすの浅漬け。彼が好きな、和食のメニューだ。


ガチャガチャ…と、鍵を開ける音がして、ゆっくりと玄関に向かう。


「ただいま」


すっ…と引き寄せられると、やんわりとふりほどいた。


「どうしたん？しおりちゃん」


「今日は、無理な日やから…。男の人って、抱きしめるとその気になるやろ？」


「恥ずかしながら…おっしゃる通り…。女の子の日かぁ…残念やな」


一誠さんは、私のおでこにくちづけると、そのまま部屋に入っていった。


「いいにおいやな。お腹すいたわ」


一誠さんと2人、小さなテーブルを囲んだ。いただきますをすると、一週間の報告をしながら、食事をする。いつもと変わらぬ夜だった。



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