褐色のあなたに水色のキミ
「そういえば、先週の金曜日は…なんで会ってくれへんかったん?」


「先週の金曜日は…」


箸が止まってしまった私の顔を、一誠さんが覗きこむ。



「確かめたいことが、あったから」


「ナニソレ?」


一誠さんの箸も止まった。しばらく、無言になった。


「とりあえず、食べよ?」


私が促すと、また箸が動いた。無言のまま、お互いに食べ終わり、小さくごちそうさまと呟いた。


「確かめたいことって、何?」


質問には応えず、食器を台所に運び、洗い始めた。一誠さんが歩み寄り、私の隣に立った。それでも無心で食器を洗った。


いや、無心ではなかった。無心のふりをしていただけだ。




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