褐色のあなたに水色のキミ
褐色から水色に
マンションの前で、誠人くんと私は、突っ立っていた。
「しおりちゃん…」
先に口を開いたのは、誠人くんだった。
返事もせずに、ゆっくりと視線を向けた。
「しおりちゃん、あの人と…まだ関係が続いてるん?」
「まだ関係が続いてる…って…どういうこと…?『まだ』って…」
「オフィスビルの3階で…あの人に、何度か会った…。左手の薬指に…指輪をしてる…」
誠人くんのその言葉は、『逢瀬を目撃した』と言っているのも同然だった。
「『まだ』から『もう』に変わった。『さよなら』を言われたから」
「…そう…か…」
その後は、お互い無言で俯いた。誠人くんに伝えたいことがある。でも、言い出せないでいた。
「しおりちゃん…」
先に口を開いたのは、誠人くんだった。
返事もせずに、ゆっくりと視線を向けた。
「しおりちゃん、あの人と…まだ関係が続いてるん?」
「まだ関係が続いてる…って…どういうこと…?『まだ』って…」
「オフィスビルの3階で…あの人に、何度か会った…。左手の薬指に…指輪をしてる…」
誠人くんのその言葉は、『逢瀬を目撃した』と言っているのも同然だった。
「『まだ』から『もう』に変わった。『さよなら』を言われたから」
「…そう…か…」
その後は、お互い無言で俯いた。誠人くんに伝えたいことがある。でも、言い出せないでいた。