犬男子、拾っちゃいました。
 震える手でライウのおでこに触れる。


 「熱いっ……熱ある!」


 どうしよう…どうすればいいの?


 あたしは冷蔵庫から冷たい枕を取り出して、タオルを巻いてライウの頭にしいた。


 その時、ライウが薄目を開けた。


 「小雨……?」


 「ライウ、なにか冷たいものいる?」


 「冷たいもの……」


 ライウはそう言うと、あたしの手をとって首筋にあてた。


 「これがいい…」


 ボツ!


 と、あたしの顔が熱くなった。

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