*とある神社の一人ぼっちな狐さんとの、ひと夏の恋物語*
「・・・また来たのか。」
「だってここ落ち着くもの。」
「学校はいいのか。」
「今は夏休みですって。」
「・・・夏休み?」
「あ、えーっと・・・長期のお休みってこと!」
「そうか。」
ふ、と手を口にあてて微笑する狐さん。
その仕草が綺麗だと思ってしまう。
「朱里、こっちにこい。」
狐さんが部屋の入り口で私を手招きする。
近寄ると腕を引かれた。
「っ、」
触れられた部分が、熱い。
「少し、散歩に行くぞ。」
「急ですね。」
「俺は気分屋だからな。」
「ふふっ、」
神社の裏側には、
また長い階段が続いていて。
「え、これのぼるんですか・・・?」
恐る恐る聞くと、
「なんだ?人間の小娘はこんなものものぼれないのか、情けないな。」
とニヤッと口の端を上げて
バカにしたように言うものだから、
「楽勝ですよ!」と見栄を張ってしまった。
「疲れたら言えよ。」
ふ、と急に彼の目が緩くなる。
いきなりの優しい目に戸惑う。
「・・・はい。」
___反則だよ。
「よし、じゃ、いくぞー。」
私の腕をつかんでいた手が離れる。
触れていた部分が急に冷める。
「朱里?」
「っ、」
「なんだ、俺の手が離れて寂しかったのか?」
「はっ?!そんなわけ・・・!」
「そうか?寂しそうに見えたのは気のせいか。
ほら、さっさと歩け。日が暮れる。」
「・・・わかってますっ、」
先を歩く狐さんの足取りはどこか身軽で、
楽しそうな横顔がチラッと見えた。
そんな狐さんを見て、
私の心がまた温かくなる。
____あぁ、好きだなぁ。
「だってここ落ち着くもの。」
「学校はいいのか。」
「今は夏休みですって。」
「・・・夏休み?」
「あ、えーっと・・・長期のお休みってこと!」
「そうか。」
ふ、と手を口にあてて微笑する狐さん。
その仕草が綺麗だと思ってしまう。
「朱里、こっちにこい。」
狐さんが部屋の入り口で私を手招きする。
近寄ると腕を引かれた。
「っ、」
触れられた部分が、熱い。
「少し、散歩に行くぞ。」
「急ですね。」
「俺は気分屋だからな。」
「ふふっ、」
神社の裏側には、
また長い階段が続いていて。
「え、これのぼるんですか・・・?」
恐る恐る聞くと、
「なんだ?人間の小娘はこんなものものぼれないのか、情けないな。」
とニヤッと口の端を上げて
バカにしたように言うものだから、
「楽勝ですよ!」と見栄を張ってしまった。
「疲れたら言えよ。」
ふ、と急に彼の目が緩くなる。
いきなりの優しい目に戸惑う。
「・・・はい。」
___反則だよ。
「よし、じゃ、いくぞー。」
私の腕をつかんでいた手が離れる。
触れていた部分が急に冷める。
「朱里?」
「っ、」
「なんだ、俺の手が離れて寂しかったのか?」
「はっ?!そんなわけ・・・!」
「そうか?寂しそうに見えたのは気のせいか。
ほら、さっさと歩け。日が暮れる。」
「・・・わかってますっ、」
先を歩く狐さんの足取りはどこか身軽で、
楽しそうな横顔がチラッと見えた。
そんな狐さんを見て、
私の心がまた温かくなる。
____あぁ、好きだなぁ。