続・幼なじみは、俺様KING!? -side王河-【完】
「あたしも……。
すごくうれしい……」


俺の腕の中、乃愛がもぞもぞっと身じろいだ。


その声のトーンを不思議に思い、


「ん?」


と短い声を出し、少しだけ体を離す。


すると乃愛は、俺の胸に手を当てて、俺を見あげた。


「だって……。
あたし……。
王河になにを言われても……。
あたしの気のせいだったかな? とか。
勘違いかな? とか。
ずっと片想いの気分だったから」


涙のたまった目。


その目が、今までずっと悲しかったと言っていた。

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