月に隠れた言葉
「ばっ、ばか智則!!」
『あ、照れてる?だったら、嬉しいな。』
今の俺の言葉、意識してくれてるってことでしょ?
こうして駆け引きを仕掛けてきて、まんまとその策略に溺れる。
その感覚が、戸惑いになって声に表れた。
「き、今日どうしたの?」
こういうものもなんだけど、今日の智則は優しさに甘さが加わったみたいだ。
なんか、彼氏でもない智則にまるで、口説かれてるみたいな気分になる。
『んー?強いて言うなら、月のせい、かもしれないな。』
「え?」
『ずーっと前から、志乃に尽くしてきたつもりですけど?』
え、エスパー!?
『声に出てる。』
「あ…」
『ねえ、志乃?』
俺ね、