キミとの温度
気付けば、知らない部屋で寝ていた。
「気付いた?
ここは保健室よ」
「保健室…?」
起き上がったわたしに気付いたその人は、白衣を着ていて…きっと保健室の先生。
「1年生でしょ?
もう入学式は終わっちゃったけど、先生と保護者の方にはちゃんと説明してあるから心配しなくて良いわよ」
入学式…
そっか、今日は高校の入学…
「あ、あああのっわたしどうやって…!」
電車に乗っているとこまでしか記憶にない。
「同じ学校の子が連れて来てくれたのよ。
うちは、駅から病院より学校の方が近いし、学園付属の病院もある。
連絡来てすぐタクシーでここに運ばれたわけ。
幸い、貧血で済んでよかったわ」
「…あ、あの人…」
「知ってるならお礼言っておきなさい。
保護者の方は今、担任の先生と話しているから。
迎えに来るまで休んでなさい」
「はい、あのトイレは…」
「ここを出て、左側の校舎に入ってすぐにあるわ」
「ありがとうございます」
保健室を出て、左側の校舎…っと。
入ってすぐ…
……ってどこ?
校舎らしきものに入ってみたものの、トイレなんて全然見当たらない。