キミとの温度
「ねぇ、新。
今日空いてる?」
………!!
新!?
思わず声の聞こえてきた方に足が向かってしまう。
「あー、今日は無理」
「えぇ~、なにそれザンネン」
「また今度な」
たぶん、その曲がり角…
「おい新、女一人くらい譲れよ~」
「は?譲るも何も、女が俺が良いって言ってんだろ?」
「これだからモテ男はー」
角を曲がると、男の人が2人と女の人が1人いた。
あ、あの人知ってる。
ちょうど、その人もわたしに気付いたみたいだった。
「さ、ささささっきは、その、ちちちち痴漢っ」
緊張してしまって、うまく言葉が出て来ない。
さらに焦って、余計に話せなくなった。
「なにお前、痴漢したのかよ~」
「ちー…」
「えー、この子痴漢するなら、わたしと遊んでよぅ」
違いますって言おうと思ったのに…!
「…違うから」
そう言って、その人はわたしに近付いて来て…
近付いて来て…?