キミとの温度
ホームルームが始まっても、お昼になっても、アユは学校に来なかった。
「……………」
一つだけ空席があるし、きっとその席はアユの席。
せっかく友達できそうだったのに。
昼休みは、みんな仲良いグループで固まっていて、わたしは自分の席で一人でお弁当を広げた。
「ねぇねぇ!
新くん、今日はわたしと遊ぼうよ〜」
「演劇部の先輩とデートしたって本当なの?」
「ねぇ、新くんってばー…」
一人、孤独でお弁当を食べるわたし。
目の前で、女子に囲まれている新くん。
さっきから女の子が机にぶつかってきて、少し迷惑だったりする。
でも、ここしかお弁当食べる場所ないから、我慢しなきゃ…
「まーた、新かよ!
なぁなぁ、みんな俺はどう?
俺なら今日空いてるけど?」
「えー、拓郎はパス」
「…ちょっと、あんた今新くんに触ったでしょ!」
「触ってないわよ!」
「嘘つきっ!見たのよ!」
毎日こうなら、他の場所探そうかなー…
なんて考えていたら、机が大きく動いた。
「あ…」
気付いた時には、お弁当は床にひっくり返っていた。
女の子が押しあったせいで、わたしの机が押され、その反動でお弁当が落ちてしまったらしい。
せっかくのお弁当が…