キミとの温度
慌てて拾うけど、もう食べることはできない。
女の子達は、わたしなんか眼中になくて…
まだ言い合いを続けている。
そして、さっきまで黙っていた新くんが、立ち上がったと思ったら、すぐにわたしの目の前にしゃがんだ。
「悪い」
「…新くん?」
新くんはそのまま、お弁当のおかずを拾い出した。
「そんなことしたら、手が汚れちゃう…っ」
「いいよ」
「良くないです。
これはわたしのお弁当だから…わたしが片付けます」
それに、新くんの取り巻きだった女の子達の視線が突き刺さるように痛い。
新くんにこんなことさせるわけにはいかない。
「なぁ」
「?はい」
「俺と付き合わない?」
わたしは驚きすぎて、持っていたお弁当箱を再び床に落としてしまった。