キミとの温度
「…あ、アユ」
え?
振り向くと、ちょうどアユが教室に入って来たところだった。
新くんの声に気付き、こっちを見たけど、わたしと目が合った瞬間にアユは下を向いた。
「よ、アユ~
お前が朝から投稿なんて珍しいな」
「拓郎うざい」
「何怒ってんの?
…あ、新、陽菜ちゃんおはよう!」
拓郎くんは、アユの後ろから教室に入って来た。
そのままこっちに来て、新くんにゲームの話をし始めた。
ゲームなんて一度もやったことないから、わたしは二人が楽しそうに話すのをただ見ていた。
「陽菜ちゃんはゲームとかする?」
「…え?したことないです」
急に拓郎くんが話を振ってきて、わたしは驚いた。
そのまま新くんも振り向いて、3人で話した。
「あ、じゃあ!
今度うち来てゲームやる?
簡単なやつ」
「それ、俺も参加な」
「陽菜ちゃん、どう?」
「わたしは…」
「来るよな?」
「…はい」
何でだろう。
こう新くんに言われると、断れなくなる。