キミとの温度
「だから、わたしは新くんと付き合わないから…
その、二人の邪魔はしないってこと…です!」
「二人の邪魔?何のこと?」
「あ、アユは好きなんでしょ、新くんのこと」
「ただの幼馴染だよ。
好きな人は別にいるし」
え…
ええええぇぇぇぇ?!
「確かに誤解してる人も多いけど、わたしは新のこと好きじゃないし、それは新も分かってるから」
「だって、この前…
それに、怒ってるみたいだったから」
「あのね、わたしが好きなのは拓郎」
あまりの衝撃すぎて、言葉が出て来ないよ…
そんなわたしを見て、アユは笑った。
「いくらアピールしても拓郎気付いてくれないから、新にベタベタしてたら少しは妬くかなって…」
「……………」
「まぁね、幼馴染のわたしと新、中学から拓郎の三人でずっと一緒だったから。
思ってたより二人と仲良くする陽菜のこと妬いてた、ごめんね」
「こちらこそごめんなさいっ」
「ねぇ、入学式の日からやり直さない?
屋上行って体育さぼっちゃおうよ」
「う、うん!」
授業をさぼるなんて、悪いこと。
分かっていても、それでもアユと一緒に話したいと思ったから、わたしアユについて屋上に行った。