キミとの温度
「う…っ」
まだ3段目までしか登ってないのに、もう怖い。
降りたい…でも、カバンが。
動けなくなっているわたしの後ろから、大きな声がした。
「俺が取ってやるよ」
え…?
怖くて振り向くことできないわたしの前に、素早くジャングルジムを登っていく影が見えた。
「ほら」
あっという間にカバンはその子の手の中。
するするっと降りてくるところで、やっとその子の顔を見た。
この辺で見ない顔だ…
「降りないの?」
あっという間にその子はジャングルジムから降りて、今きっとわたしの後ろにいると思う。
すぐ近くから声がした。
「…こ、怖い…」
「怖い?」
わたしは必死に顔を縦に振った。