キミとの温度



「アユ、お前体育初っ端からさぼったんだって?」

「さぼりじゃないし、具合悪かったの」



教室に戻ると、拓郎くんが笑って言った。

さすがにさぼりはまずかったよね…



「そう言うお前もさぼってたじゃん」

「あ、おいっ!
もう新は黙ってろよな〜」

「拓郎っ!
人のこと言えないじゃん!」

「わっ!
痛いからやめろって!」



アユに足を蹴られて痛がる拓郎くんだけど、顔は笑ったまま。

アユも楽しそう。



「ふふ、良かった…」

「何が?」

「え?!あ、いや、その」



思わず出てしまった言葉が新くんに聞かれていたなんて思ってなくて驚いてしまった。


何て言えば良いのだろうか…

言葉に迷っていると、新くんが、フッと笑った。



「良かったな」

「…うん」



何だか少し照れくさい。

くすぐられるような感じ。



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