キミとの温度
「…あ、地味子が男といる!」
「うわ、地味子のくせに彼氏とか調子乗ってやがるぅ!」
また、あの男の子達…
今日はじゃまされたくなかったのに。
「…ごめんね」
「何で謝るの?
悪いのはあっちでしょ?」
「でも、彼氏って誤解されちゃったのは…」
「良いよ、そんなの」
いつもは男の子に怒るのに、その日はずっと隣に座っていた。
「明日の夏祭り、一緒に行こうよ。
父さんから聞いたんだ、近くで夏祭りあるって」
「…うん」
「じゃあ、明日6時にここで待ってるから」
「うん!」
二度目の約束は、夏祭りに行くことだった。
帰ってすぐに、お母さんに浴衣を出してもらった。
低学年の時に買ってもらった浴衣はピンクの花柄で、小学6年生には少し幼く感じたけど、最後くらいは少しでもかわいく思ってほしかった。