ウチらの初恋〜natumi〜
「翼先輩ー!」
「………何?」
翼の声はなんだかさみしくて悲しい声だった……
「理事長とってもいい人ですよ」
「その話は、もうしないで」
「理事長から全部、聞きました」
「余計なことすんな」
怖い、翼先輩の声がいつもと違って
怒ってて
怖い……
嫌われるのが怖い……けど………
「翼先輩 話、聞いてください」
「………」
「お花畑ってすごく素敵ですよね」
「あんな素敵な場所がなんで立ち入り禁止か知ってますか?」
「あの場所は理事長が翼先輩のために作った場所なんですよ」
「は?あいつが俺のために作るわけない」
「翼先輩が落ち着けるように1人になりたいときになれるように」
「翼先輩だけの秘密の場所を作ったんですよ」
「………」
「私……
「黙って!」
「翼先輩………」
「もう、やめて……」
私はこれ以上話のはやめた
翼先輩はあの時泣いていたんだろうか
顔が見れなくて見えなくて
気持ちがわかんなくて
私の目から一粒ポロっと
涙が落ちた