叶わない恋だから
そして、帰り道ーー。
「はぁ…」
ため息をつき、まだ少し肌寒い外を歩く。
「ん?お、陽菜じゃん!」
笑いながら、近寄ってくるのは翔太先輩であって。
「あ…どうも」
私もニコッと笑う。
うまく笑えてる?
話せてる?
「…高校遠くなるんだね」
「ん?あ、まぁーな」
…っ。嫌だよ。
どうして、離れるの?
「俺、こっちだから!気をつけろよー!?」
そう笑顔で言って、先輩が歩こうとした腕を引っ張る。
「…?陽菜?」
「離れないでよ…っ。」
そう呟いた。