叶わない恋だから
教室に戻ったが、もう生徒はいなかった。
奈々が待っていてくれた。
「あ、陽菜!大丈夫?」
「うん!あ、昇降口で待ってて!」
そう言って、3年生の教室までダッシュする。
どこを探してもいなくて、諦めようと帰ろうとしたそのときーー。
「…陽菜?」
ドキっ。
この声は、翔太先輩だ。
「あっ…いた!!」
はぁはぁと息を切らしてそう言う。
「お、おう。」
そう言うと、私は翔太先輩の顔をぺちっとした。
「あっ…ありがとう!!!」
そう言うと、私のほっぺをつねりながら
「おう!」
そう言った。