薬指の約束
受験生
恋に一生懸命な私だったけど、気づけば受験生。
ゆやとは別々の高校。地元の高校を志望しているゆやと、都内の私立を志望している私。
ミュージカルへの入団を目指している私は、いつかはゆやと離れ離れになっちゃうんだよね。
この頃からちゃんと、分かってた。

私立の入試を推薦で受けた私は、1月の段階で合格が決まっていた。

ゆやも公立を推薦で受けるみたいで、入試はもう目前。
しばらくは一緒に帰ったりしていないし、メールも夜7時までにしていた。

ゆやの邪魔だけはしたくない。
頑張って、ゆや!




慌ただしい毎日はすぐに過ぎて、とうとう明日はゆやの入試の日。

「ゆや、明日頑張ってね!」

「推薦だからな~、絶対落ちるわー」

「大丈夫だよ!!絶対受かる!…と思う…」

「ははは! ふう、ありがとな」


ゆやが受かりますように。

その日の夕方、私は家の近くの神社に行ったんだよね。
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