薬指の約束
好きだから

教室の卒業式のカウントダウンカレンダーが1ヶ月をきった。

小学校も好きだったけど、中学校での思い出も多すぎて、卒業式のことを考えるだけで泣きそうになってたなぁ。


そんなある日、休み時間に珍しく一人でいる良樹を見つけた。なんだか久しぶりな人。

「良樹!何してるの??」

「おー、ふうか。何か疲れたわーははは」

力なく笑う良樹。
いつもなら休み時間はすぐ友達に囲まれているのに。
ゆや、ごめん!!
大切な友達を私はほうって置けなかった。

「ふうで良かったら、話して?絶対何かあったでしょ!」

「ふうか… 俺、弘人たちに嫌われたわ」

良樹は強がって笑った。

「弘人?? …あ!」

いつか私に良樹と話すなって言った人だ!
ゆやの仲良しグループの一人で、良樹とも仲が良かった。

「あいつら、俺のこと避けてるよ。」

「そんな…」

「弘人が俺のこと嫌った。グループのやつらにも言ったんだ。」

「じゃあ、ゆやも…??」

「うん…」



私は弘人よりゆやに怒りを感じた。
ゆや、ほんとは良樹のこと嫌ってなんかないくせに、弘人の言葉に乗せられたんだ!!



< 19 / 51 >

この作品をシェア

pagetop