薬指の約束
「そろそろ学校行こっか!!」

ゆやは優しく手を差し出した。

「うん!!」

いつもなら恥ずかしくて学校に入ると手を放しちゃうんだけど、この日はずっと繋いでたよね。




掲示物が外されて、ガランとした教室。整えられた机やイス。

ほんとに卒業するんだぁ




私たちは体育館へと向かう。
吹奏楽部の演奏に合わせて入場。

吹奏楽部だった私はそれだけで涙が出そうだった。

一人一人の卒業証書授与。

詩織、かのちゃん、ひな、ももな、ほっち…大好きな友達の姿を目に焼き付けた。

そして、ゆや。
毎日同じクラスにいたゆや。これから別々の場所で夢を追うんだね。
それでもずっとゆやのこと想ってるよ。世界で1番大好きな人。

最後の合唱なんて泣きすぎて歌えなかった。
涙でぐちゃぐちゃの笑顔で周りの友達と微笑み合ったね。


みんな、ありがとう。
大好きな人たち、大好きな場所。

ずっとずっと、忘れない。
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