薬指の約束
大人のさようなら
今日は将生たちとランチの日である。
ほんとに行きたくないよぅ…


「ほらふう、行くよ!」

お母さんがピアスをつけながら私を呼んだ。

「はあい…」

車に乗るとすぐイヤホンを装着。
話しかけるなオーラ全開で助手席に座った。

将生たちの住むマンションの前に着くと、将生のお母さんが手を降って待っていた。
そのとなりにはケータイをいじっている将生がいた。

「ゆう、久しぶり~~~!!! 将生も合格おめでと~!」

ゆうっていうのは将生のお母さんのこと。
ゆーちゃんのことは私、大好き。

「ねー!久しぶり!! ふうちゃんもおめでとうね!」

「ありがとうございます! 」

ゆーちゃんにあいさつをして、またイヤホンを付けた。

私の好きな曲はゆやの好きな曲。
ゆやの好きな曲聞いたら、ゆやにもっと近づける気がするんだ。

ブルブル…

私ケータイが震えた。
??

《将生》

ひいいい!!
同じ車の中にいるのに!

《お前感じ悪いなー!あいさつくらいしろよー》

将生からのメール。
むーかーつーくー!!!!!!

《はいはいごめんね!》

《ばかふうか》

将生、こんなんじゃなかったのに…
悲しくなった。

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