薬指の約束
今日も将生と会う。
ゆやと付き合ったばっかりのとき、お互い照れちゃってこんなすぐにデートなんて出来なかったんだよね。
将生は違う。
「ふう!!おはよ!!」
「おはよ~~~」
「なんでお前はいっつもそんな眠そうなんだ??」
将生が私の手を握った。
あ、ゆやと違う。
「そうかなぁ 将生、もう行こう」
「あいよ~」
将生に肩を組まれながら街を歩く。
周りの視線が気になる。
「どこ行く??」
「へ!?!?…あ、うん」
ぼーっとしちゃってた。
せっかくのデートなのに…
「うんって…ばかふうか~」
将生は笑って私の頭をポンポンした。
「えっと… どうしよう… プリ撮ろう!!」
私は笑顔で言った。
「いいね!」
ガヤガヤしたゲームセンターは心地が良かった。
「将生、ちゃんと笑いなよ~~~」
「面白くねーのに笑えるかよ~」
「ほらっ 撮るよ!」
パシャッ
シャッター音と同時に唇がふさがれた。
キス…しちゃった。
「…」
「ふう、嫌だった?」
ゆやが本当に消えた気がした。
「嫌なわけ…ないよ!!」
私はまた、笑顔をつくった。
こんな毎日にも、すぐに慣れちゃうんだね。
本当に、全部、粉々。