薬指の約束
映画
学校帰り、私と仲良しグループ5人でカフェでおしゃべり。

「みなさんにふうかからお知らせがあるそうです!!!!!!」

りこが大袈裟に話し始めた。

「ちょっとりこ、大袈裟だよぅ~」

「何ふう!気になる!」

あきちゃんが目をキラキラさせて顔を近づけた。

「カラオケに移動した方が良さそうだね~」

るかちゃんは笑いながらあきちゃんと同じように顔を近づけた。

「えっと…そんな大したことじゃなくて…」

私とりこで結構話し合って、この3人にはちゃんと話すことに決めた。
信頼してるし、隠し事なんてしたくなかったから。

「私、柳瀬くんのことが好きなの…」

しーん…

一瞬の沈黙の後

「えーーーーー!!!!!!そーなの!?いつからいつから!?」

「柳瀬くん、ふうかにめっちゃ話しかけたりするよね!」

「脈アリだね!!!!!!」

みんなが笑顔で励ましてくれた。
ほっとして、なんだか泣きそうだった。

みんなに話せたこと、みんなが応援してくれることが嬉しすぎて1人だけ、笑顔がぎこちないことに気づきもしなかった。

「あ!ふう、今日夜バレエあったんだった!話聞いてくれてありがと!またね~!!」

「あきもだよ!バレエバレエ!ふうか、言ってよ~~~」

「あ、そっか!バレエ教室一緒だもんね!ごめんごめん!」

「ほんと天然~~~! じゃあ、みんなばいばーい!!!!!!」

私とあきちゃんは揃ってカフェを後にした。



でも、りこだけは気づいてたんだね。
私、自分のことばっかりで…ごめんね。








恋…ってすごいなあ

柳瀬くんが好きって気づいてから、世界がキラキラしているみたい。
いつからなのかもう忘れちゃったけど、私のいる世界はなんだかくすんで見えていたんだ。

私はきっと、前に進める気がする。

後少しで夏休み。それから映画。

とにかくとにかくほんとに楽しみ!


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