吸血鬼



そう問われて首を横に振った


「盗んでなんてない」


すると男の子が


「じゃあなんで持ってんの?それ?」


「お父様がプレゼントしてくださったの
本当よ」


そう言うと


「じゃあ父親が盗んだのか」


違う


そう言おうとしたけれど


信じてもらえそうになかったから諦めて外へ出た


リファースは横にいた


後ろには他の子もいた


私は指輪を外し、地面に落とした


リファースが


「王からもらったものだろう‼︎
何をしている」


そう怒鳴ったけど知らん顔で歩き続けた


皆が私の後を追う


宮殿についてから


番人が


「スミレ様
おかえりなさいませ

指輪はどうなされたのですか?」


そう聞いた


「捨てたわ」


短い答えを涙を浮かべながら言った


番人の2人が顔を見合わせて
1人が中へ入って行った


しばらくして帰って来た時にはお母様が一緒だった


お母様をみて


「お母さん
もうやだよ
帰りたい帰りたいよ

帰ろう」


泣目でそう言うと


後ろにいた皆をみて


「リファース、何をしたの?」


そうキツイ口調で言った


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