吸血鬼





バスで学校に帰り、皆は親と一緒に家へと帰った


俺は、校庭に1人………
立っていた


先生が来てこう言ったんだ


「施設が火事になって……
誰も生きていないそうよ………」


その言葉を聞き、荷物を持つのも忘れて駆け出した


いつも帰る場所だったそこは、


ただの灰になっていた


片付けの最中らしく、知らない人たちがたくさんいた


学校に戻ると先生でもなく、見たことない人が俺を待っていた


新しい施設のおじさんだった


優しそうだけど、
そこへ行く気にはなれず、
嫌だと泣きながら抵抗した


けれど、他に行く場所がない俺は
仕方なくついて行った


そこには親がいない3人の子供がいた


一人は俺と同じ小学生
もう一人は幼稚園
もう一人は赤ん坊だった


3人とも俺より小さく、
昔の俺を思い出させた





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