吸血鬼
「スミレ……」
悲しそうなお父様の声が聞こえる
聞きたくないのに動けない
言葉が出てこない
「スミレ、私は1756年生きてきて
これ程に後悔をしたことはない……
私はお父様………
この国を守りたい…
すまない…………」
そういうお父様の声は、微かに震えていて
私を抱きしめる手も震えていた…
何かが降ってきた
それを確かめるように顔を上げた
それは…………
それは、私が最初で最後に見た……………
美しく、孤独な王の…………
………………涙だった……………