吸血鬼
美鈴がその光景を見て
「可愛らしい子ですね」
そう言ってきた
多分美鈴は半鬼だからあまり吸血鬼を見分けることは出来ないらしい
「あれが噂の男だろ?」
そう聞くと驚いたように手に持っていた資料を見て
「すごいです!
一瞬で分かるなんて!
あの子がそうなんですか?」
そう問われて苦笑しながら
「まぁ、ね
じゃあちょっと行ってくるから待っててね」
そう言い声をかけに行った
「こんにちは」
いきなり話しかけてきた私を不審と思わない方がどうかしている
少し身構えた彼に安心させようとこう言った
「私、占い師をしているんです
実は………
あなたを見た瞬間に、怪しい影が映りました
あなた………
人間以外ですか?」
そう問うと
ギクリとしながら
「俺は人間だ!
失礼な」
そう言われて
「では、
これは忠告です
この世には……
人間以外の魔物も住んでいます
どうぞ、お気を付けて………」
そう言いその場を去った
ずっときになっていたのは
彼が話している最中
ずっと子供を隠していたことだ