狂い狂ってまた明日
『今日も7時に。場所はこずえ橋の下』
また浅倉からメールが来た。
とりあえず指定の場所に行く。
「おお、時間ぴったりじゃん」
浅倉がヘラヘラと手を振る。
私は周囲に気を付けて駆け寄った。
「今日は何するの?」
「いや、殺し方を覚えてもらおうかなって思ってさ」
そういうと浅倉はナイフを取り出した。
「まず殺しには必ずナイフかな。銃だとすぐバレちゃうからね」
「ふーん」
「あと、絞殺とか毒殺とかも有効かな。とりあえず音が出ないような殺し方が安全だよ」
まるで殺しのプロのようだ。いや、プロなんだろう。
「じゃあどうしようかな。まずはお手本見せるよ」
「うん...って、え?」
「誰にしようかな〜...よし、あの人!」
浅倉は歩いている一人のサラリーマンを指差す。
「えっ、ちょっ、ちょっと待って!あの人関係ないでしょ!?」
私は慌てて制止する。いくらなんでも関係ない人を殺してはいけないだろう。
「え?でも俺がお手本見せなきゃ出来ないでしょ?ここにターゲットの奴らが来るまで結構時間掛かるし...」
「でも...!」
「大丈夫。絶対に見つからないから」
浅倉は私の肩に手を置き、ニコっと笑う。謎の安心感に包まれ、私は言ってしまった。
「わかった」
と。
「お父さんお父さん!」
作業服に身を包んだ青年が中年のサラリーマンに駆け寄る。
「大変なんです!僕、今工事現場に資材を運んでる途中なんですけど、途中で資材を置いて休憩してたんですよ。そしたら資材を川に落としてしまって...流されちゃったんですよ!流れた資材を探すの手伝ってください!頼みます!お父さんしかいないんです!」
間髪入れずに青年が喋る。
「えっ...あぁ、わかった」
サラリーマンは戸惑いつつも承諾した。
「ありがとうございます!僕についてきてください!」
「あっ、うん」
青年は堤防の方に向かって走り出した。それを追うようにサラリーマンも走り出す。
青年を追って橋の下に来ると、青年の姿が無い。
でもブルーシートは敷いてある。
おかしい、と思い辺りを見渡す、が青年はどこにもいなかった。
「おーい...!」
刹那、サラリーマンの首から大量の血液が飛び散った。
膝ががっくり折れ、その場に倒れ込む。
サラリーマンの背後に居たのは...。
「ごめんなさいね、お父さん」
作業服の青年だった。
私は何が起こったのか分からなかった。
標的のサラリーマンが来たと思ったらいきなりそいつの首から血が噴出したのだ。
そのままサラリーマンは動かなくなり、息絶えた。
「...ウソだ」
「ホントだってば」
いつの間にか作業服を来た浅倉が隣にいた。
あれだけ激しく血が飛び散ったというのに、浅倉は一切血を浴びていない。
「ざっとまぁ、こんな感じかな。要するに人間の心理を利用して誘き出す。そして来た所で殺す。大体はこのパターン。あと、誘き出す時には人が少ない所の方がいいいかもね。後、ターゲットが知り合いなら毒を使うのもいいよ。でも、毒殺は痕跡が残りやすいから睡眠薬で眠らせるのもいいかも。毒はけっこう化学反応を起こしたり独特の味や臭いがするからね」
スラスラと浅倉は話す。話しながら、サラリーマンの死体を青いビニールシートに包んだ。
「これで資材に見えるかな」
包み終えた死体はどこをどう見ても資材にしか見えない。
「じゃあ次は右京の番だね」
ポイッとナイフを私に投げる。
「わっ!?」
慌てて私はキャッチした。危ない。あと少し遅れてたら手は無くなっていただろう。
「誰を殺す?...いや、殺したい?」
にやっと笑って浅倉は聞く。
私は色々な人を思い浮かべた。
両親?...いや、さすがにそれは出来ない。兄弟?いやいや、駄目だ。もっと嫌な...心から嫌いな...。
そこで私はある人物を思い出す。
いつも私にうざったく絡み、さまざまなことに巻き込むあいつ。今日ここを通って帰るあいつ。
「...美香」
また浅倉からメールが来た。
とりあえず指定の場所に行く。
「おお、時間ぴったりじゃん」
浅倉がヘラヘラと手を振る。
私は周囲に気を付けて駆け寄った。
「今日は何するの?」
「いや、殺し方を覚えてもらおうかなって思ってさ」
そういうと浅倉はナイフを取り出した。
「まず殺しには必ずナイフかな。銃だとすぐバレちゃうからね」
「ふーん」
「あと、絞殺とか毒殺とかも有効かな。とりあえず音が出ないような殺し方が安全だよ」
まるで殺しのプロのようだ。いや、プロなんだろう。
「じゃあどうしようかな。まずはお手本見せるよ」
「うん...って、え?」
「誰にしようかな〜...よし、あの人!」
浅倉は歩いている一人のサラリーマンを指差す。
「えっ、ちょっ、ちょっと待って!あの人関係ないでしょ!?」
私は慌てて制止する。いくらなんでも関係ない人を殺してはいけないだろう。
「え?でも俺がお手本見せなきゃ出来ないでしょ?ここにターゲットの奴らが来るまで結構時間掛かるし...」
「でも...!」
「大丈夫。絶対に見つからないから」
浅倉は私の肩に手を置き、ニコっと笑う。謎の安心感に包まれ、私は言ってしまった。
「わかった」
と。
「お父さんお父さん!」
作業服に身を包んだ青年が中年のサラリーマンに駆け寄る。
「大変なんです!僕、今工事現場に資材を運んでる途中なんですけど、途中で資材を置いて休憩してたんですよ。そしたら資材を川に落としてしまって...流されちゃったんですよ!流れた資材を探すの手伝ってください!頼みます!お父さんしかいないんです!」
間髪入れずに青年が喋る。
「えっ...あぁ、わかった」
サラリーマンは戸惑いつつも承諾した。
「ありがとうございます!僕についてきてください!」
「あっ、うん」
青年は堤防の方に向かって走り出した。それを追うようにサラリーマンも走り出す。
青年を追って橋の下に来ると、青年の姿が無い。
でもブルーシートは敷いてある。
おかしい、と思い辺りを見渡す、が青年はどこにもいなかった。
「おーい...!」
刹那、サラリーマンの首から大量の血液が飛び散った。
膝ががっくり折れ、その場に倒れ込む。
サラリーマンの背後に居たのは...。
「ごめんなさいね、お父さん」
作業服の青年だった。
私は何が起こったのか分からなかった。
標的のサラリーマンが来たと思ったらいきなりそいつの首から血が噴出したのだ。
そのままサラリーマンは動かなくなり、息絶えた。
「...ウソだ」
「ホントだってば」
いつの間にか作業服を来た浅倉が隣にいた。
あれだけ激しく血が飛び散ったというのに、浅倉は一切血を浴びていない。
「ざっとまぁ、こんな感じかな。要するに人間の心理を利用して誘き出す。そして来た所で殺す。大体はこのパターン。あと、誘き出す時には人が少ない所の方がいいいかもね。後、ターゲットが知り合いなら毒を使うのもいいよ。でも、毒殺は痕跡が残りやすいから睡眠薬で眠らせるのもいいかも。毒はけっこう化学反応を起こしたり独特の味や臭いがするからね」
スラスラと浅倉は話す。話しながら、サラリーマンの死体を青いビニールシートに包んだ。
「これで資材に見えるかな」
包み終えた死体はどこをどう見ても資材にしか見えない。
「じゃあ次は右京の番だね」
ポイッとナイフを私に投げる。
「わっ!?」
慌てて私はキャッチした。危ない。あと少し遅れてたら手は無くなっていただろう。
「誰を殺す?...いや、殺したい?」
にやっと笑って浅倉は聞く。
私は色々な人を思い浮かべた。
両親?...いや、さすがにそれは出来ない。兄弟?いやいや、駄目だ。もっと嫌な...心から嫌いな...。
そこで私はある人物を思い出す。
いつも私にうざったく絡み、さまざまなことに巻き込むあいつ。今日ここを通って帰るあいつ。
「...美香」