届くはずのない想い【改訂版完結】
わたしは何分もトイレの中にこもった。


出て行くのが怖い。


颯汰がホントに信じたらどうしよう。


手の震えは全く止まらなかった。


深呼吸をするたび、こみ上げてくる涙。


必死に堪え、落ち着かせる。


そしてわたしは平然を装い、トイレを出た。
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