星降る夜に。
「まだダルいけど熱も下がってきたし、大丈夫。ありがとうな」



力のない笑顔だけど、元気はあると分かってホッとする。


大輔さんが上半身を起こそうとしたので、背中を支えた。
そこから伝わる体温が熱くて、熱が篭っているのが分かる。




「薬はちゃんと飲んでる?」


「飲んでる。病院も行ったし…。莉子、もう帰れ。ここにいるべきじゃない」



そんなことは百も承知だ。


ここに来るべきじゃないと分かっていた。そう思っていた。言われなくても分かっている。


だけど大輔さんがどうしているか心配だった。


顔が見たかった…。



私がうつむいていると、彼の大きな手が私の頭を撫でた。



「嬉しいんだよ、莉子が来てくれて。絶対にいるはずがないから、夢かと思った。莉子にここにいてほしいけど、でもそしたら俺、手を出しそうになるから」


「うん…」



弱気と言ったらおかしいけれど、私の知らない一面を知って嬉しかった。


大輔さんになら、いつだって手を出されても構わない。
むしろ、それを望んでいる。

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