星降る夜に。
♢最後の恋――――side大輔
初めて莉子を見たとき、一瞬で心を奪われた。
砂浜に足を投げ出して座っていた莉子は、目の前に広がるエメラルドグリーンの海に見入っていた。
ブルーのチェック柄の丈の長いワンピースを着ていて、日に焼けていない白い肌と華奢な肩、それを隠すような長い髪。
時々吹く風になびく髪が綺麗だ。
ちらりと見えた横顔は、小さな顎と唇、形のいい鼻と丸みがありそうな目。
普段、仕事で女性と接することが多いのに、どうしてここまで莉子に引き寄せられたのか分からない。
自分でも気がつかないうちに莉子に近づいていた。
「ねえ、一人?」
莉子は俺の声に全然気づいていなくて、変わらずに海を眺めている。
俺は風になびく莉子の髪を思わず掴んでしまった。
触ってみたいという衝動そのままに。
「ちょっと、ムシするわけ?」