星降る夜に。
振り向いた莉子はとても驚いていた。知らない男に急にこんなことされたら誰だってそうだよな。

自分でやったのに、らしからぬ行動に戸惑った。




莉子は小顔で、その中に整ったパーツが揃っている可愛らしい顔立ちだった。

桜のような薄いピンク色のリップが似合っている。



最初はつれない態度だった莉子も笑顔を見せてくれて、俺たちは名前と歳を教え合い、滞在中は一緒に過ごすことになった。



握手をした莉子の手は小さくて、俺の手ですっぽり隠れる。指が長くて細くて、綺麗だ。







その日の夜、浜辺でのバーベキューに誘った。

日が暮れかけて、海の向こうに太陽が沈んでいく。
待ち合わせの時間に遅れないよう、人混みをかき分けて足早に向かった。



浜辺からすぐの大きなヤシの木の下に莉子らしき後ろ姿を見つけた。

昼間着ていたのと同じワンピースだから間違いない。


肩を叩くと莉子は驚いたようにびくりとする。
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