星降る夜に。
だけど―――左手の薬指に指輪があった。小ぶりだけど、一目見て良い物と分かるダイヤモンドの指輪。
見なかったことにして連絡先を渡したとき、莉子に言われた。
もうすぐ結婚する、私のことは忘れてほしいと。
忘れられるものならとっくに忘れてる。
それが出来ないのは俺が莉子に惚れているからだ。
莉子の結婚相手と会ったときは無性に苛立った。後から高城出版の跡取りだと知り、その感情が更に増して爆発しそうだった。
俺に勝算はない――――。
莉子は俺になびかないだろう。
だけど莉子が遊びで俺と過ごしたとは思えない。
“夢を見たかった”というあの言葉が引っかかる。
俺の思い上がりかも知れないけれど、莉子は俺を好きでいてくれるような気がする。きっと俺を求めていてくれると思う。それは確信に近い。
あの男になんて渡したくない。莉子は俺のものだ…。
お盆に入ると莉子はお姉さんを連れて店にやってきた。お姉さんはキリッとした顔立ちで、クールビューティーとかいう類。
莉子は優しい、可愛い顔立ちであまり似ていない。綺麗なところは共通しているけれど。
見なかったことにして連絡先を渡したとき、莉子に言われた。
もうすぐ結婚する、私のことは忘れてほしいと。
忘れられるものならとっくに忘れてる。
それが出来ないのは俺が莉子に惚れているからだ。
莉子の結婚相手と会ったときは無性に苛立った。後から高城出版の跡取りだと知り、その感情が更に増して爆発しそうだった。
俺に勝算はない――――。
莉子は俺になびかないだろう。
だけど莉子が遊びで俺と過ごしたとは思えない。
“夢を見たかった”というあの言葉が引っかかる。
俺の思い上がりかも知れないけれど、莉子は俺を好きでいてくれるような気がする。きっと俺を求めていてくれると思う。それは確信に近い。
あの男になんて渡したくない。莉子は俺のものだ…。
お盆に入ると莉子はお姉さんを連れて店にやってきた。お姉さんはキリッとした顔立ちで、クールビューティーとかいう類。
莉子は優しい、可愛い顔立ちであまり似ていない。綺麗なところは共通しているけれど。