星降る夜に。
私は多分、普通の人生を送っている。家族がいて仕事があって親友もいる。
恋だってそれなりにした。
大輔さんと知り合う前の私って、どんな私だったのかな?
少なくとも、知り合ったばかりの人とキスをするようなタイプじゃなかったし、一夜を共にするなんてこともなかった。
こんなに誰かを好きになれるなんて知らなかったし、焦がれる気持ちも求めることも全部、大輔さんを好きになって知った。
あの夜―――私が大輔さんに正直な気持ちを話したあと、私たちは何度もキスをした。
幸せと同じくらいの切なさが押し寄せてきて、何度も苦しくなった。
そしてそれと同時に私の体はたまらなく熱を持った。
体の中心が彼を求めて疼く。
そのまま襲ってほしかった。壊してほしかった。
だけどそんなことは言えなくて、大輔さんは私の気持ちを見透かしているかのようにこう言った。
「このまま莉子を抱きたいけど、それはダメだよな。莉子に俺とのことを後悔してほしくないから手は出さない」
後悔なんてしないのに。
大輔さんと出会ったこと、一緒に過ごしたこと、全部が私の宝物だから。