星降る夜に。
「またもらっちゃった。外にいるわよ。どんな知り合いなの?」


「ジュエリーショップの社長さんです。すぐ戻ります」




急いで外に出ると、横村さんはガードレールに腰をかけて煙草を吸っていた。私に気づくと吸いかけの煙草を手にしていた携帯灰皿に入れる。



「ごめんね、忙しいとこ」


「いえ…。どんなご用でしょうか」




今日の横村さんはスーツ姿で髪もきちんとセットしてある。ということはお店に出てる日なのかな…。それともまた大輔さんに何かあったとか…?



「大輔と会うの、次が最後なんだってね」


「…結婚が近づいてきていますから、やることがいっぱいあって。それに元々、そういう約束ですから」



そんなものは言い訳にしか過ぎない。私は結局こうして誠さんを取る。大輔さんを好きだと言いながら。



「大輔は心底、莉子ちゃんに惚れてる。俺もお似合いだと思ってたんだけど…。それだってよく似合ってるし」



横村さんは私のネックレスを指さした。

大輔さんに貰ったハートのネックレス。やっぱりコレが一番しっくりくるんだ。



「これは私のお守りですから…」


「大輔を“夢”にしていいの?現実に手に入るのに」
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