星降る夜に。
私は彼のベストとワイシャツのボタンを外していく。

あの夜もそうだった。私が脱がせたんだ。



全部脱がせると胸にキスをした。力一杯吸ってから唇を離すと、赤い小さな痣が出来る。
反対側の胸にも同じようにつける。お腹にも腰にも、いくつもつける。


それから彼の昂りを口に含んだ。経験はあるけれど上手かどうかは分からない。だけど私だって大輔さんを愛したい。



少しすると彼の甘い吐息が聞こえてきた。腰が少し震えている。息をしたくて口を離すと、彼は私を抱き起こしてキスをしてくれる。


そして私がつけたキスマークを指さして言った。




「これは莉子の独占欲?」


「そう。これが消えるまでは、大輔さんは私のもの」




大輔さんの全部が私のもの。私の全部だってそうだ。今夜この人に愛される余韻が消えるまで、私は大輔さんのもの。



大輔さんは私の胸にキスをしたあと、軽く吸いついた。すぐに消えてしまいそうなほどの薄いキスマーク。



「もっと欲しい。ずっと消えないくらい濃いやつ…。噛み跡だっていい」


「俺にはこれが精一杯だよ。すぐ消えちゃうけど、その代わりに莉子が憶えてて」
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