星降る夜に。
私の日常は何も変わらない。
仕事では同じ作業をこなす、家では結婚式の準備、それから由衣と遊んだりみのりと会ったり、やることはいっぱいある。
あの日から一週間近く経とうとしている。
彼のキスマークは消えそうで消えなくて、太もものつけ根、足首、足の甲、それから脇腹にもうっすらと残っている。
1つが精一杯だと言いながら、抱かれる度に増えた。
「莉子は俺のものだ」と、そう言った彼の切ない表情を憶えている。
連絡先はすぐに消してしまった。
私の会社に配送を頼むのはやめると言っていたし、本当に会うことはない。
3度目の偶然なんてないだろう。
今、私たちを繋ぐのはネックレスだけ。それももう、家にあるジュエリーボックスの中にしまった。この先、身につけることはないだろう。
もう全て終わってしまったのだから。
ただ、どれだけ時間が経っても私の支えであることに変わりはない。
大切なお守りだ。