星降る夜に。
そしてまた好きになる。もっと好きになる。それが分かっているから…。

だから彼のことを思い出す暇もないほど、頑張ると決めた。



「消化出来るの?」


「……分からない。でも、消化する。大輔さんは私に真っ直ぐに愛情を向けてくれた。一生忘れられない恋をした。それだけ。恋と結婚は違うから…きちんとする」



みのりがもどかしく思っているのは分かっている。


あの日、私は彼の家から真っ直ぐに姉の家に行った。連絡もせずに行ったのに姉は待ってくれていて、私を受け止めてくれた。抱きしめてくれた。

言いたいことは色々あったと思うけど。



「あのネックレスはもう使わないの?」


「使わないよ」



今は誠さんのハワイ土産のネックレスをつけている。



「もう二度と?」



しかめっ面のみのりに思わず笑ってしまう。前は、もう身につけないほうがいいと怒っていたのに。



「近いうちにお姉ちゃんに預けようと思ってるの。手元にないほうがいいし…。今度はすぐ行ける距離じゃないからね。いつか歳を取って、懐かしめるときが来たら、もう一度つけたいかな。それで、何も遠慮せず気兼ねせず、大輔さんのことを思い出したい」
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